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MAN-TLE、
優れた道具としての僕の作業着

今、3メートル弱の絵を描いている。
自分より大きい画面に向き合うとき、僕はとくに、道具のありがたみを感じる。
そして、それらを作る職人の方々に、尊敬と感謝をする。

優れた道具を使うとき、僕は、自分の身体がその道具分延長したように感じることがある。
たとえば良い筆を持つとき、良い刷毛を使うとき、僕の手は、画面に直接触れる。

そして今度僕は、優れた道具としての作業着に出会った。

MAN-TLE(マントル)は、2016年に始まった、オーストラリアと日本を拠点としたブランドだそうだ。

プロダクトのほとんどが、硬いコットン素材で出来ている。本当に硬くて、動きやすいか動きづらいかといったら、着始めはちょっと動きづらい。

だけど、だからこそ、一筆の動きとその意味を、自分の身体により感じさせることが出来るように思う。

その線を描いた動作が、皺となってそのまま現れる。
正しく描くたびに、その皺は重なって、濃く深くなっていく。

大切に、丁寧に、描く。

MAN-TLEを教えてくれた人の「この服はお洒落じゃなく道具」という言葉が、自分にとても心地よく響いた。僕はその言葉のまま、道具として着ることにした。

作業着というと、「汚れてもいい服」という捉え方をする人も多いかもしれない。それはもちろんそうだろう。だけどその上で、僕にとっての作業着とは、「優れた道具としての服」だ。

着ることに意味があり、より良い仕事をさせてくれる服。

それに僕は思う。いつかこの服が今よりずっとやわらかくなったときには、自分の仕事に何よりも心地よく寄り添う、最高のパートナーとなっているはずだと。

僕の着ているシャツは、ブランドの定番で、毎シーズン展開しているという。
ファッションという流行と違って、いつもそこに必ずあるシャツ。
もう一枚、となった時に手に入れられる安心感も、また良い。

それと余談だけど、展開カラーはオレンジやグレー、ブルーなんかもあって、それぞれオーストラリアの美しい景色の色からピックしているそうだ。
僕の考える岩絵具の美しさにも通ずるところがある気がして、そこもいいなと思った。作り手の方に、いつか会ってみたいと思う。

MAN-TLE、優れた道具としての僕の作業着。
付き合いが長くなりそうだと感じている。